アキレス腱炎のセルフケア 効果的にアイシングする道具について考える
本文に入る前に…。アイシングは凍傷に気をつけて自己責任でやってください
アキレス腱炎のアイシングは、熱を持ってしまったようなアキレス腱の痛みには大変有効ですが、凍傷などの危険性があります。
特に皮膚の弱い女性やお子さんには注意が必要です。
1日一回、お風呂上がりに10分から20分アキレス腱を冷やしてください。
冷たくってちょっときついな…と思うくらいまでやると良いと思います。
アイシングは凍傷の危険がありますので、くれぐれも自己責任でお願いします。
冷やすといえば氷嚢が代表的ですが…。
アキレス腱炎で自分でできるメンテナンスとして当院ではアイシングをお勧めしているのですが、アイシングするための代表的な道具として氷嚢があります。
すでにお手持ちの方はこれを使っても良いのですが、保冷剤を使ったアイシングに慣れてしまうといくつかの問題点があがります。
1、準備と片付けがめんどくさい。
最近の冷蔵庫には自動で氷ができる製氷器がついているのでいいのですが、製氷皿で氷を作っている方は製氷皿を流しに持って行って氷嚢に氷を入れるという作業が結構めんどくさいです。
加えて、溶けた水を捨てたりしなければならず手間がかかります。
ただし、結露しないため水滴を拭いたりしなくても良いのは良いところだと思います。
2、冷えるのが遅い・弱い
こちらが大きな問題です。
当院ではアイシングの目安として冷たくて我慢できなくなるまでやっていただいているのですが、氷嚢を使うといつまで経っても我慢できなくなるほどには冷たくならない…。
これは当院が所有しているものだけかもわかりませんが、安全性を考慮して冷たくなりすぎないようにしているのだと思います。
アキレス腱部分の皮膚は比較的厚く、アコーディオンのようになっているため他の部分よりも強いと思います。
限度や個人差もありますので自己責任でやって頂きたいのですが、アキレス腱を冷やすために新たに購入するのであれば保冷剤タイプの方が良いように感じます。
バケツに氷水を作って足を突っ込むのは「ほんとにやる人いるの?」ってレベルでめんどくさい
想像しただけでめんどくさいです。
現実的じゃないと思います。
アキレス腱のアイシングは、足首の痛いところだけを冷やせば十分です。
足の指の方まで冷やす必要はありません。
また、肝心のアキレス腱の痛い部分に氷があたらないところもダメだと思います。
当院がお勧めする保冷剤を使ったアイシングは冷凍庫から出してその上にアキレス腱を乗せるだけなので準備が簡単なことも良いのですが、足を保冷剤に乗せることで足の重みで氷にアキレス腱を圧しつけることになります。
アキレス腱の炎症にしっかりアプローチしますので効果的です。
バケツに氷水を作るアイシングは良い部分はあまりないと思います。
アキレス腱炎のアイシングなら保冷剤タイプがお勧め


上は100円ショップの保冷剤、下はAmazonで購入したやく1000円のアイスマットです。
使い方は、これらの商品の上にアキレス腱を乗せるだけです。
足の重さでアキレス腱を圧しつける形になりますので、巻いたりするより効果的です。
すぐに我慢できなくなるくらい冷たくなります。
新しく購入するのであればこちらの方が良いと思います。
100円ショップの保冷剤が身体に使うものではないことを理解して、注意深くアイシングに使えばコスパがいいのはこちらだと思います。
アキレス腱炎のアイシングのやり方
同じところを冷やし続けないように、冷やす位置を変えながらやってください。
初めは薄手のタオルやハンカチを一枚咬ましても良いかもしれません。
何度も申し上げますが、アイシングは自己責任で凍傷に気をつけてやってください。
ジェルタイプのアイスマットもかなり冷たいです。
大きさがあるので冷えている時間も20分程度あり、十分です。
お風呂の前にやってしまうとせっかく冷やしたのにお風呂で温めてしまいます。
冷たい余韻を残したままにしておいてください。
次の日の朝に効果を感じるようであればしばらく続けてください。
全ての人に効果があるわけではありませんので、効果を感じなければやめてください。
アキレス腱に熱感があったり、実際に非接触タイプの体温計で熱を測って左右差がある方はよく効きます。
湿布なんかよりもよっぽど効果があると思います。
ちなみに、コールドスプレー・冷えピタ・湿布・冷たいシャワーでは代用になりません。
氷の冷たさで冷やしてください。
熱感を感じていなくても一度や二度はやってみてもいいと思います。
熱がないのにおでこを冷やしても問題ないのと一緒で、限度を守れば基本的には副作用はありません。
アキレス腱の凍傷にはくれぐれもご注意ください。
凍傷には軽度な表在性凍傷から、深部の組織までが変性してしまう重度なものまであります。
ちょっとした火傷程度のものから、もう元には戻らない壊死状態にまでなってしまうこともあるということです。
雪山登りなどで凍傷になりやすい部分は、指先や鼻先、耳など身体の先端部分です。
アキレス腱も平べったい形をしておりますので、熱が伝わりやすい形状と言えます。
稀にアイシングのしすぎで、アキレス腱が軽い火傷状態のようになり皮膚の色がどす黒くなってしまっている人がいます。
特にスポーツをされる方は「早く治したい!」という意識からそのようになってしまう傾向があるので注意が必要です。
軽い火傷状態になるだけでも結構な冷たさに耐えているので、壊死状態まで冷やしてしまう人はいないとは思いますが、冷やしたまま寝てしまったり(これもちょっと考えずらいことですが…)は絶対しないでください。
冷やす部分をこまめに変えながらやると良いと思いますし、冷たく感じすぎたらすぐにやめるかタオルかハンカチをかますかしてください。
アイシングは度を超えると取り返しの効かない危険な行為です。
当院ではいかなる責任も負えませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。
関連記事、こちらもお読みください→アキレス腱が痛いとき。まずはどうする?冷やすの?温めるの?
ちなみに100円ショップの保冷剤は当院でも販売しております。
100円です。
お気軽にお声がけください。
コメント